超伝導体の臨界電流非対称性と磁束糸、磁場と電流の関係について[超伝導]

はじめに

こんにちは、ぽたです。今回は、僕の研究している内容ど真ん中の臨界電流非対称性について考えていこうと思います。

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単語系統

先に単語系統をつぶしておきますね。わからない単語ありそうなら覗いてみてください。

臨界電流とは

臨界電流とは、

超伝導体に流せる限界の電流の値のこと。電気抵抗がゼロの超伝導体だが、どんなに大きな電流でも流せるわけではなく、ある値よりも大きな電流になると突然電気抵抗が発生して常伝導に転移してしまう。

wikipedia様には書いてあります。まあかみ砕いていうと、

電流流しすぎると、超伝導じゃなくて普通の電流流れる物質になっちゃうよ

ってことです。その移り変わりの時の電流値を臨界電流といい、基本的にはIcと表します。

磁束糸とは

磁束糸とは、簡単に言ってしまうと、磁場の最小単位を糸と見たもののことです。

ほかにも、渦糸、量子化磁束、など呼び方は様々です。

つまりはこういうことですね。量子化磁束と呼ばれている理由としては、このような磁束糸が何本も入っているところを想像したらわかるかと思います。

磁束糸が入っている場所は磁場がかかっているのに、入っていない場所は磁場がかかっていないですよね。つまり飛び飛びの磁場の値をとっているので、量子化磁束と呼ばれたりもしています。

また、黄色の矢印は周回電流です。磁束糸が入ると周回電流が流れます。

また、基本的に磁束糸、量子化磁束はφ0で表されることが多いです。

臨界磁場とは

臨界磁場とは、臨界電流の磁場バージョンで、

磁場がかかりすぎると、超伝導じゃなくなっちゃう

というものです。要はどれだけ量子化磁束が入れるかといった感じですね。超伝導体は磁場を嫌う性質が在るので、基本的にはすぐ、超伝導ではなくなってしまいます。

その辺が知りたい方は、下をご覧いただければ大体わかるようになると思います。

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臨界電流非対称性について

電流非対称性とは

それでは本題に入りましょう。臨界電流非対称性と、電流、磁場の関係についてお話しいたします。

まず、臨界電流非対称性と聞いてどのようなイメージを浮かべるでしょうか。臨界電流が左右対称ではない、、、、???って感じだと思います。順を追って説明しますね。

まず、最初にグラフをお見せします。

 

 赤のグラフと青のグラフはマイナスプラスを反転させただけのグラフになります。

電圧が出てくる位置、つまり、普通の電気が流れる物質になる臨界電流の位置がずれていますよね。これこそが臨界電流非対称性です

臨界電流非対称性の原理

それでは、原理の方を具体的にかつ、わかりやすく説明できたらと思います!

非対称性というのは、大前提として、磁束の入りやすさが、電流の向きによって違う、というのが大切です。磁束の入りやすさが違うと何が起こるかというと、超伝導の壊れやすさにもかかわってきます。つまり、臨界電流の大きさが変わってくるということになります。これが簡単な説明です。

また、磁束の入りやすさというのは超伝導薄膜の凸凹具合やひずみ具合によるとされています。これは、超伝導体の表面バリアがひずみ、凹凸などに依存するからです。

表面バリアは、以下の二つに集約されているので、ぜひご覧ください!!

この表面バリアの違いにより、臨界電流非対称性が起こると考えられています。具体的に図を用いて説明します。

この図黒い×と〇で描かれているものは量子化磁束で、手前から奥向きの磁束です。Fはローレンツ力で、電流と磁場から受ける力です。フレミング左手の法則から導き出せます。懐かしいですね。

この図により何がわかるかというと、左から右向きに向かう電流Icupは基板側から入る磁束、つまり下から上に向かう磁束に影響があることがわかります。逆に右から左向きに向かう電流Icdownは、超伝導体表面から入る磁束、つまり上から下に向かう磁束に影響があることがわかります。

磁束が表面や基板側から入るということは、そこにある表面バリアの大きさが、重要になってくるとは思いませんか!!!実はそういうことなんです。

つまりは、超伝導体表面側の表面バリアが大きいと、量子化磁束が表面から入りにくくなります。磁束が入りにくいということは超伝導体が壊れにくく、Icが大きくなるということです。

まとめると、

表面バリアが大きくなると、Icが大きくなる!!

ということなんです。また、基板とか引っ付いてるのに、表面側と基板側の表面バリアが同じわけないですよね??

この表面バリアの大きさの違いが、臨界電流非対称性につながっている、ということなのです。下図に超伝導ポテンシャルと表面バリアの関係性を示します。このように、表面バリアの差があるとそこから臨界電流に差が生まれると考えられています。

完全に解明されているわけではないのですが、イメージはこんな感じであると思っています。

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最後に

今回もお疲れさまでした。内容が難しくて、文字ばっかりになってしまい、読みにくいかもしれません、、、、

わかりにくいところとかあればぜひ参考にさせていただきたいのでコメントよろしくお願いいたします!!

それではまた、ぽたでした!!!

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