こんにちは、ぽたです。今回は第二種超伝導体の表面バリアについてと効く要素の続きについて書いていこうと思います。
こちらの続きになります。もし読んでいない方がいらっしゃればこちらからお願いいたします。
前回のおさらい
[1]に書いた表面バリアに効く要素として、
①鏡像力
②外部磁場
③表面粗さ
などがかかわっているという話でした。
鏡像力
鏡像力というのは外側への引力でした。この鏡像力が表面エネルギーに与える力は、
で表されるとのことでした。
外部磁場
磁場がかかった場合、表面エネルギーが大きくなるということでした。これに関しては、
で表されます。
ここまでの式のまとめとして、鏡像力+外部磁場をすると
と表されることがわかりました。次から表面の凹凸についてのお話をしていきます。
表面の凹凸について
表面の凹凸については、前回も書いた通り、
表面の凹凸に電界や磁場が集中すると、②外部磁場 の効果より、表面からの反発力が生じます。つまりどういうことかというと表面の凹凸が大きい方が反発力が大きくなる
ということです。
これを式で表すと、外部磁場の項と関係してくるので、
このような形になります。δRというのは表面粗さ、というパラメータで、凹凸具合と考えてもらって大丈夫です
また、この項というのは、前回の外部磁場の効果の部分、
に対して、表面粗さの項、
が追加された形になっています。
つまり、今まで説明していた外部磁場というのは表面粗さ、δR=0と考えていたということです。
それでは、表面粗さがどのような影響を与えているか見てみましょう。グラフを書いてみると、下のようになります。x方向がδRとして考えています。
これが何を表しているかというと、凹凸の項というのはδRが大きくなるにつれ、大きくなるということがわかります。ただし、全体的に大きくなってしまい、かつ端っこの方がエネルギーが大きくなるということです。
つまり、表面バリアという観点から考えると、自由エネルギーの差が少なくなるということです。ということはまとめると、
表面が粗くなると、磁束が入りやすくなる
ということです。これの理由についてはまた少し下でお話しいたします。
今回のまとめ
今回は、もともとの表面バリアに対しての寄与、
鏡像力、外部磁場
それに加えて
表面の凹凸の効果
のお話をしてきました。式として、すべての効果をまとめると、
という形になりました。この値の差があるほど、磁束はそこでとどまろうとします。
(1)端のエネルギーが0で右のエネルギーが1
(2)端のエネルギーが1で右側のエネルギーが3
の2パターンを比べると、(2)の方が磁束が入りにくいです。
表面バリアというのは、このような様々なパラメータに依存していることがわかりました。僕もまだまだ精進していきます
最後に
とりあえず、表面バリアについて僕が学んできたことを簡単にまとめてみました。今回参考にした論文というのは、
Surface barrier with rough surface (modified Bean-Livingston model)
です。これで表面バリアについては一通りまとめられたと思うので、もしわからないことがあった方はぜひコメントください!僕も勉強途中なので、勉強してブログ等にまとめられたらと思います。
こちらが一個目の記事ですね、まだ読んでいない方は是非読んでみてください。
それではまた、ぽたでした。
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