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第二種超伝導体の表面バリアについてと効く要素

バリア

こんにちは、ぽたです。今回は少し学んでいる超伝導体の表面バリアについてまとめていこうかなと思います。

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第二種超伝導体とは

まずは僕が研究している第二種超伝導体について少しだけお話しします。

第二種超伝導体とは、簡単に言うと、超伝導の部分とそうじゃない部分(常伝導体と呼ぶ)が混ざっているものになります。

これのメリットとしては、基本的に超伝導というのは大きな磁場をかけると壊れる(超伝導じゃなくなる)のですが、常伝導体が混ざっていることによって大きな磁場をかけることができる点にあります。

第一種超伝導体と比べると、10~100倍も磁場をかけることができます。(もっとできるかも)

ちなみに超伝導を調べていくにあたって出てくるピン止め効果というのは第1種超伝導体では起こりえず、第二種超伝導体のみで起こります。

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表面バリアとは

それでは本題に入りましょう。超伝導を学んでいる方には聞き覚えがあるかもしれませんが、普通の方では絶対に触れないような分野だとは思います。その方にもわかるように簡単に話せたらいいなと思います。

超伝導体の表面バリアとは、第二種超伝導体表面にあるポテンシャルエネルギーのバリアのことです。

これによって、微小の磁場では超伝導体の内部に磁束が入っていかなくなります。つまり、ある一定の磁束にならないと超伝導体内部に磁束糸が入らなくなります。出ていくときも同じです。ある一定の磁場以下にならないと表面バリアに阻まれ、外へ出ていかなくなります。

これが起こることによって、ヒステリシスが起こります。

ヒステリシス

ヒステリシスとは、前の状況と現在起きている状況の両方に依存することです。

参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/ヒステリシス

このように、前に反対の磁場がかかっていた場合というのは、次に反対の磁場をかける場合に、少し遅れて反応したりします。これがヒステリシスというものです。

これは先ほど述べたように、これは磁場は出ていきたいんだけどバリアがあるから出ていけないみたいな状況が発生するために起きます。

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表面バリアの依存するパラメータ

表面バリアというものは、様々な要素によって大きくなったり小さくなったりします。僕が学べている範囲だと、

①鏡像力

②外部磁場

③表面粗さ

などがかかわっています。(SURFACE BARRIER IN TYPE-Ⅱ SVPERCONDUCTORS*
C. P. Bean and J. D. Livingstonを読んでかみ砕いた感じです)。(英弱なので読み間違えている可能性あり)

それぞれ一つずつ解説していきます。

鏡像力、ミラー力について

最初は鏡像力についてです。鏡像力というのは、

金属表面に電荷が近づいたときにそれに作用する力のこと、です。その力というのは、表面を鏡と仮定して、反対側に反対の電荷があるときの力です。

表面に対して垂直な電流がゼロということを考えたうえで、境界条件を満たさなくてはいけないです。そのイメージを解決するために表面の外側に逆の符号の磁束を考えます。(ここムズイ理解はデキテナイ)

とりま、おいておいて、そういうことを考えなくてはいけないと考えてみると、

このような図になります。右側が存在する磁束で、左側の点線の円が鏡像力で考えるべき逆向きの磁束です。

これによって、相互作用での吸引力、つまり本当に存在する磁束というのは外に出ていく力というのが働きます。これをグラフにして書くと、

こんな感じのグラフになります。横軸が端からの距離で、縦軸はエネルギーです。

磁束はエネルギーが少ない方に行きたいので、端へ端へ、と行くことがこのグラフでわかります。これが鏡像力といった感じで表されています。グラフの上にボールを落としたイメージで大丈夫です。

実際のエネルギーの値とこのグラフはちがうので注意してください。実際の値は、

です。λはロンドン侵入長で、Φが磁束、うんこみたいなの(グザイ、ξ)が、コヒーレンス長、K0は第二種ベッセル関数です。(わかるわけないやん。)

とりあえず、まとめると、磁束はエネルギーによって外に出ていく力が働く、ということです。これだけいったん頭に入れときましょう。

これが一つ目の要素になります。

外部磁場の効果

次に外部磁場の効果です。外部磁場を超伝導体にかけたときのことを考えてみましょう。

外部磁場が超伝導体に侵入すると、磁場が磁束とおんなじだった場合、表面からの反発力を食らいます。

つまりどういうことかというと、磁場がかかった場合、表面エネルギーが大きくなる、ということです。表面エネルギーというのは先ほどのところで説明したエネルギーと同じものです。

表面はエネルギーを持っていると考えてもらって大丈夫です。

磁場をかけたときのこのエネルギーは、

だけの反発力として寄与します。端側だとエネルギー寄与が大きくなる感じですね。

磁場が高くなりすぎると逆に超伝導体が壊れてしまます。(臨界磁場まで電流をかけた場合)

なので、それまでは超伝導体の表面エネルギーに対してエネルギー寄与があると考えて大丈夫です。

とりあえず、長々とお話ししましたが、理解しておいてほしいのは、

超伝導体に磁場をかけた場合、表面バリアは変化する

ということです。基本的に、表面バリアが一番寄与する磁場というものがあり、それまでは表面バリアが増加し続け、それを超えると表面バリアが小さくなり磁束が入りやすくなっていきます。

表面の凹凸の効果

最後に凹凸の効果です。表面に凹凸が存在すると、表面の出っ張っている部分などに電界が集中する可能性があります。印加電圧がかなり小さかった場合でも大きくなることがあるということです。

つまり、平面が凸凹していると、表面の磁場に影響があります。つまり磁場というものを挟んで、表面の凹凸と表面バリアというものは間接的に影響があると考えてもいいでしょう。

また、磁場が一度入ると、表面のでっぱりによって磁場が抜けにくくなる現象もあったり、逆にへこみで抜けやすくなることもあります。

また、これによってヒステリシスが起こっているとも考えられます。

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まとめ

様々な表面バリアに対しての寄与をまとめてみました。式として全体をまとめると、

このように表されます。(これは表面の凸凹については考慮していない)

磁束の入りやすさというのが表面バリアによっておこり、表面バリアが様々なものによって変化することが分かったかと思います。

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最後に

今回は僕が学んだ表面バリアについて関係するパラメータなどをまとめてみました。これ以上深く学んでまた見識を深めた場合は続編を出したいと思います。

ほかの方が表面の凸凹についての論文を出していたのでそれもまた深く読み込んだら報告します。

分かりにくい部分などがあればコメントください、解説できる範囲で解説します。

それではまた、ぽたでした。他の投稿も読んでいってください!!

ps.続きを書きました!簡単にしかまとめていないですがぜひ参考にしてください

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