交流電流がコイルL、コンデンサーCで位相が変化する理由と微分積分と複素数への応用

電気回路

こんにちは、ぽたです。今回はコンデンサーやコイルがつないであると交流電流のとき位相が進んだり遅れたりします。それについての直感的な理解、簡単なわかりやすい理解を目指していきたいと思います。

積分、微分が使えない方は少し理解が難しくなってしまうかもしれません。

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位相のずれが起こる理由(イメージ)

まずは位相のずれがなぜ起こるのかついて直感的にわかるように説明してみたいと思います。

まずはコンデンサーCから行きましょう。コンデンサーとは皆さん知っている通り、電気を蓄える装置ですよね。したがって交流の場合は、たまる時間と放出する時間があるはずですよね。それが位相差につながってきます。

コイルLに関しては、交流の場合、電流の変化が起きます。そうすると、磁界の変化が起きます。磁界の変化によって、誘導起電力が働きます。つまり、電流が変化しなかったら位相の変化は起こらないのですが、今回は交流電源を考えているため、電流が変化してしまいます。それが位相差につながってきているのです。

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コンデンサ、コイルの表し方

次にコンデンサ、コイルの位相差などを微分積分や複素数を利用して表していこうと思います。

微分積分

微分積分を使って表していこうと思います。

微分積分の表し方というのは、直流電源、交流電源、両方で扱うことができます。

・コンデンサ

コンデンサはイメージ通りです。流れ込む電流を蓄えるというのを式に表すと、

となります。交流電流をかけるので時間で変化する、という意味を込めてi(t)と表しています。Cはコンデンサの静電容量です。どれだけ電気を蓄えられるかというイメージで大丈夫です。蓄えている電流量が電圧に起因しています。

・コイル

コイルは先ほど述べたように電流が変わらなければ、変化が起きないといいました。つまり電流の変化量というのがかかわってくるということがわかります。これを式にすると、

となります。Lはインダクタンスです。電流iの変化量が電圧に起因していることがわかるかと思います。

それでは次に複素数で表していきます。

複素数

まず理解しておいてほしいのが、この複素数の表し方というのは、交流電源でしか利用できません。気を付けてください。それでは示していきます。

・コンデンサ

コンデンサは、複素数で表すと、

このようになります。形は微分積分のときと似ています。ωは角速度です。

・コイル

コイルは、複素数で表すと、

このようになります。この二つは電気系を学んでいる方にとっては常識だと思います。

それではこれらを利用して、簡単にですが位相がずれるということを示していきたいと思います。

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位相のずれの証明

今回は、微分積分から、位相のずれを導いてみようと思います。また、位相のずれというのは交流でしか基本的に怒らないので、電流を

このように考えてみましょう。これらを微分積分の式に代入していきます。

コンデンサの場合

コンデンサの場合、

と値が出てきます。また、

なので、電流と電圧を比較すると、90°位相がずれていることが、ここから理解できるかと思います。したがって、コンデンサの場合、電流に対して電圧は90°遅れています

コイルの場合

次にコイルの場合を考えてみましょう。コイルの場合、代入すると、

このように値が出てきます。また、

なので、電流と電圧を比較すると、90°位相がずれていることが、ここから理解できるかと思います。したがって、コイルの場合、電流に対して電圧は90°進んでいます

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複素数との比較

次に複素数と先ほど導いた値に関して比較してみましょう。

コンデンサの場合

コンデンサの場合、複素数表示だと電圧は、

微積分で解いて出すと、

となることがわかりました。これを少し似た形に変形してみましょう。

複素数

微積分

どうでしょう。ーjがsinの位相のずれと対応していることがわかるでしょうか。

複素数平面で考えた場合、あるものにjを掛算した場合、90°回転させることができます。ーjだと遅れる側に90°です。よってこの二つの式というのは本質的には同じということがここで理解できたと思います。

もし複素数平面についてわからない方がいた場合は、

複素数平面における極形式と回転 | 高校数学の美しい物語
複素数平面の定義から極形式,複素数平面を使う最大のメリットである回転を説明します。

こちらを参考にしてみてください。習っていない場合、少し難しいかもしれません・・・

コイルの場合

コイルの場合も同様に行ってみましょう。

複素数

微積分

こちらもやはり、jの回転がsinでの回転と対応していることがわかります。したがってjを掛算すると、進める側に90°ということがわかりました。

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最後に

微分積分や複素数平面に関して学んでいない方には少しきつめの内容となってしまいましたが、複素数で表す形も微分積分で表す形も、交流電流が流れている回路においては同じ形をしているということが今回で分かったと思います。

これを踏まえると、コンデンサやコイルがどっち側に進むんだっけ、遅れるんだっけということがわかりやすくなると思います。

jを掛算すると、複素数平面でも90°進む方向なので、コイルは進む側、コンデンサはjで割っているので90°遅れる側

このように考えていただけるとわかりやすいかなと思います。

ほかにも電気系の記事はいろいろ書いているので、勉強で詰まっている方はぜひ見ていってください。

それではまた、ぽたでした。

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