こんにちは、三相交流を理解しようのパート2です。ぽたです。
パート1ではどんな感じの構造になっているのか。僕が間違えてほしくない点などを含めて基礎的なところを話しました。
今回で三相交流のベクトルを完全に理解し、帰ってくださることを目指し、書きたいと思います。
それではれっつごー!
注意点
交流でベクトルを表す場合、点を付けます。右のようなものです。
ただ、僕は文字として点のつけ方がわからなかったのでつけてません!すいません!
基本的に、点(ドット)がある場合、ベクトル、ない場合、スカラー量(絶対値の大きさ)です。
今回はすべて、ドットがついているものだと考えてください。ほんとに雑魚です。
交流でなぜベクトルを使うのか
まずは、なぜ交流でベクトルを使うと便利なのかを説明します。
端的にいうと、考えるのが簡単
だからです。具体的にすると、交流には
- 瞬時値
- 実効値
- 位相差
と、直流にはない要素がたくさんあります。(瞬時値と実効値は似たようなのあるけど)
つまり、大きさを表せてかつ位相差も示したい→ベクトル
というわけです。
Y結線のベクトル図(Y-Y型)
まずはY型結線です。
相電圧=100 V 抵抗=5Ω Ea(Va)を上向きに基準にとる
電源側のベクトル図(Y-Y)
このYY結線のベクトル図を考えてみましょう。電源側と負荷側で分けて考えると、電源側は
このようになります。Vbc,Vcaは皆さんで補完してください。相電圧Eaを上向きにとるため、線間電圧Vabは30°だけ進む形になります
負荷側のベクトル図(Y-Y)
負荷側のベクトル図はこのようになります。このつなぎ方は抵抗なので、もちろん電圧と電流に位相差は生じません。
仮に、誘導性のリアクタンスも含んだ負荷だった場合、
図のようになります。誘導性の負荷のため、電圧に対して電流が遅れます。リアクタンスと抵抗が同じ大きさなので45°です。
Δ結線のベクトル図(Δ-Δ)
次はΔ結線を見ていきましょう。回路は下の図のようなものを想定して考えていきましょう。
相電圧=100 V 抵抗=5Ω Ea(Va)を上向きに基準にとる
電源側のベクトル図(Δ-Δ)
とりあえず、電源側から見ていきましょう。実際電源側は、Y結線電源の相電流から線間電流に変わったという認識で大丈夫です。
Δ結線なので、相電圧と線間電圧は等しくなります。また、位相差は120°です。方向にだけ気を付けましょう。
負荷側のベクトル図(Δ-Δ)
負荷側のベクトル図は以下のようになります。
上向きを基準とした場合、120°の位置がVca、Ica、240°上向きから回転させた位置にVbc、Ibcが来ることに注意しましょう。
もし、
もし、誘導性の負荷だった場合、図のようになります。誘導リアクタンスが2Ω、抵抗が2Ωの場合、電流が45°遅れます
線電流Ia=Iab-Icaになります。これはなぜこのようになるかというと、線電流と相電流の境目を見てください。
線電流Ia+相電流Ibc=相電流Iabになるのがわかりますか?これをベクトルで表した場合、上の図になります。
複素数とベクトル図を行き来しよう
それではベクトルを複素数で表してみましょう。
まず、ベクトルと複素数を対応させるためには、基準のベクトル(0°)を右向きにとる必要があります。
これはなぜかというと、複素数平面の概念があります。複素数平面で表す場合、傾き0の場合は右ベクトルで示しますよね?それと同じです。つまりcos0+jsin0=実数という話です。
ちなみになぜiではなくjかというと、電流iと被らないようにするためです
Y型を対応させてみよう
まずは簡単なY型から複素数と対応させていきましょう。
真ん中上の図が上向きにVaを取った際のベクトル図で、その下がそれを90°時計回りに回転させたベクトル図になります。
これによりVaが横向きで基準になり、かつ右に書いてある複素数表示と一致していることがわかるでしょうか。
このように、複素数と対応させる場合は右向きを基準にとり、Δ結線やY結線の図と対応させたい場合は上向きを基準にとるべき
ということが分かったかなと思います。
Δ型を対応させてみよう
次はΔ型も対応させてみましょう。Δ-Δだと簡単になってしまうので、Y-Δで考えてみましょう。
ぐちゃぐちゃになってしまいますので、省略している部分があります、ご了承ください。3相なので120°ずらすだけです。今回の抵抗は容量性リアクタンス持ちの抵抗とします。
Zab=Zbc=Zca=2-j2 相電圧Va=100 V Vaを右向きに取る。(複素数に対応するため)
なんとこのようになります。値を適当に設定しすぎたせいで計算が難しくなってしまいました。
間違ってたらすいません。それを見つけるのも勉強のうちということで。計算方法はわかってくれたと思います。
取り合えず、ベクトルと複素数の概念が分かれば三相交流の問題に負けることはありません。
おまけ
角度と複素数の対応については、オイラーの公式を理解しておく必要があります。三相交流を学んでいる皆さんなら一度は習っているとは思うんですけど、
こんな感じで成立します。(電気だとiじゃなくてjだけど。)こういう変換があって複素数と角度を変換しているよという前提があるのも一応知識として入れておきましょう。
詳しいことはウィキペディア様に教わりましょう。
最後に
お疲れ様でした。ベクトルを理解すれば三相交流は理解したも同然です。
次回は不平衡回路について書いていこうと思っています!また、ベクトル図においてここもっと知りたいとかあればぜひ逆に教えてほしいと思います!
それではまた、ぽたでした。
第一回の基礎編見てない方はぜひ見ていってください。
また、不平衡回路についてはこっちからどうぞ!