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磁場侵入長とコヒーレンス長、第一種、第二種超伝導体の区別の仕方[超伝導]

こんにちは、ぽたです。今回は超伝導体を勉強していくについて、見過ごすことはできないロンドン侵入長(磁場侵入長)コヒーレンス長、また、それが第一種、第二種超伝導体にどのように関わってくるのかについてまとめていきたいと思います。

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ロンドン侵入長(磁場侵入長)

ロンドン侵入長(磁場侵入長)とは

ロンドン侵入長(磁場侵入長)とは、

超伝導体にどれだけ磁場が侵入してくるかの度合い

です。少しだけ解説を行うと、

磁場というのは超伝導体の内部から押しだされようとしますが、完全には排除することができません。そのように少しだけ染みたような磁場が1/eの値になる距離のことを言います。

このパラメータは様々なところにかかわってきます。(例えば僕が研究している非対称性についても、、、、)

ロンドン侵入長のグラフ

また、式として表すと、

nは粒子の濃度、mは粒子の質量、μ0は真空の透磁率です。また、どれだけ磁場が侵入しているかのグラフは、

と表すことができます。

もし、x=0の点に常伝導部分があった場合はこのように磁場が侵入しています。常伝導部分から離れるにつれて磁場が侵入する量が少なくなっていることがわかります。

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コヒーレンス長

コヒーレンス長について

次はコヒーレンス長について説明していきます。コヒーレンス長とは、

クーパー対がどれだけ外に広がるかの度合い

です。簡単に解説をしますと、

超伝導体の中にはクーパー対というものが存在します。それは粒子なので、超伝導体の外部に染み出してしまうんですね。

例えば第二種超伝導体だと、超伝導体と常伝導体部分が同時に存在しています。その時に超伝導部分から常伝導部分にどれだけ染み出せるかというものです。

また、量子化磁束の半径という表し方をすることもできます。

量子化磁束というのは、磁束1本の話をしていますよね。

このように届かないところをつなげると、量子化磁束の半径のような気がしてきませんか。僕はこのようなイメージでコヒーレンス長を理解しています。間違っていたらすいません。

コヒーレンス長に関しては、まだまだ謎のことが多いです。

コヒーレンス長の式

また、コヒーレンス長は式で表すと以下のようになります。

コヒーレンス長は、秩序パラメータに反比例するということがわかっています。秩序パラメータというのは、超伝導っぽさという理解で大丈夫です。超伝導っぽい方が値が大きくなります。

素晴らしい超伝導だったら、磁束量子の半径って小さくなりそうですよね。確かに一致してそうな気がします。これを図で表すと、

このイメージです。磁束量子が入ったときを表しています。磁束が入った部分は超伝導っぽさがなくなるので、このようなグラフになります。(tanhに比例します)(Δはψの二乗に比例)

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第一種超伝導体、第二種超伝導体の分け方

それでは、今までまとめてきた、ロンドン侵入長、コヒーレンス長を利用して、第一種超伝導体、第二種超伝導体を見分けていきましょう。

第一種超伝導体とは

その前に第一種超伝導体、第二種超伝導体とはなんぞやということについて説明していきます。

第一種超伝導体とは、

磁場をかけたときに、磁束が超伝導体内部に全く入らない

という性質をもった超伝導体です。

難しい言葉で表すと、完全反磁性がある、ということです。詳しくお話しすると、

磁場を徐々に加えていき、ある磁場(臨界磁場)を超えると、超伝導体から常伝導体(普通の物質)になる物質のことを第一種超伝導体といいます。

第二種超伝導体とは

第二種超伝導体とは、

磁場をかけたときにちょっと磁束が超伝導体に入る

といった性質を持った超伝導体になります

詳しくお話しすると、

磁場を徐々に加えていき、ある磁場(下部臨界磁場)を超えると、超伝導体内部に磁束が侵入していきます。磁束が入った部分は超伝導じゃなくなります。さらに磁場を増やすと、磁束が入っている部分、超伝導でない部分が増えていきます。最後にある磁場(上部臨界磁場すべて常伝導状態になります。

第一種、第二種の分けかた

それでは、第一種、第二種超伝導体をGL理論、ギンツブルグ・ランダウ理論に則って区別していきましょう。式自体は簡単です。

です。コヒーレンス長の割合が長い場合は第一種、ロンドン侵入長が長い場合は第二種です。

そのように分けられる理由

難しい話になるので、かいつまんで簡単に説明します。

まず、磁束が超伝導体の内部に入った場合のことを考えます。磁束が入った超伝導体というのは、超伝導体、常伝導体が混在している状態になります。

この場合、超伝導と常伝導の界面が発生しますよね。その界面のエネルギーを界面エネルギーと呼ばせていただきます。

この界面エネルギーに対して、ロンドン侵入長は負のエネルギーをあたえコヒーレンス長は正のエネルギーを与えます。

エネルギーというのは少ない方に動きます。したがって、界面エネルギーが正の場合、界面は正のエネルギーを持っているのでなるだけ界面を減らすように遷移します。

したがって、コヒーレンス長が大きい場合、第一種超伝導体

界面エネルギーが負の場合、界面は多ければ多いほど良いです。したがって超伝導体は内部に磁場をいれて常伝導部分を増やそうとします。

したがってロンドン侵入長が大きい場合、第二種超伝導体

になります。

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まとめ

ロンドン侵入長は磁場の入りやすさ表していて、コヒーレンス長は、クーパー対の染み出しやすさを表しています。

また、第一種と第二種超伝導体は、

と区別することが出来ました。また、それは界面エネルギーの話から証明することができることがわかりました。

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最後に

どうだったでしょうか。今回は超伝導を深く学んでいくために必要なロンドン侵入長、磁場侵入長とコヒーレンス長についてまとめていきました。

まだ、僕の理解が浅い部分があるとは思うので、もしここって違うんじゃないのとかあればぜひコメントお願いいたします。

ほかにも、ここ知りたいとかあればぜひ知りたいです!!

ほかにも超伝導に関しては記事を書いていますので是非読んでみてください

それではまた、ぽたでした。

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