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これを読めば完璧!大学電磁気、電界分野のすべて[電磁気学]

こんにちは、ぽたです。今回は院試の過去問を解いてだいたいのパターンを把握できたので、僕の頭を整理するという意味を込めて、まとめを作っていきたいと思います。

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はじめに

はじめに、どのような形でまとめていくのかというのを説明します。

大まかな流れとして、

①利用する公式まとめ

②公式の解説[ここが一番大事]

といった形でまとめていこうと思います。それではLet’s Go!!

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①利用する公式まとめ

利用する公式をまとめていきましょう。公式の解説については②番で行っていきます。

ガウスの法則

ですね。電磁気の電界分野の問題を解くにあたって必須な公式となっています。基本的にこれさえ覚えておけばわりと解ける問題は多いです。

電位の公式

電位は電場の積分によって出すことが多いです。よって、

です。電場の向きに対して線積分ですね。電場の向きを間違えると使えないので注意してください。

静電ポテンシャルエネルギー

静電エネルギーとも呼ばれます。要は蓄えられているエネルギーの公式です。

コンデンサに触れていれば知っている可能性は高いのではないかと思います。

電荷密度

電荷密度は体積を掛け算すると、電荷になります。よって電荷密度をσとすると、

となります。無限長の円柱導体などだと、単位長さ当たりの電荷というのもあります。これに関してもあとで触れようと思います。

電気容量と電荷の公式

電気容量の公式はみなさんおなじみの、

です。これは電界分野の様々な部分にも使えます。電位を求めるのにも、電気容量を求めるのにも利用します。

また、コンデンサの電気容量Cに関しては、

と表すことができます。コンデンサの面積が広くなったら蓄えられる電荷は増えそうですし、極板間の距離が短くなれば、電荷貯められそうです。

詳しいことを知りたい方はこちらを参考にしてください。

電場と電位差の公式

これも皆さんおなじみだと思います。電場が一定の場合、距離を掛け算すると電位になりますよ、という公式です。コンデンサーの極板間に利用します。

クーロン力と導体、極板にかかる力

まずはクーロン力です。クーロン力というのは電場に乗せた電荷には力が働く、というものです。公式は、

で表されます。電場を坂の傾き、電荷を球とみれば転がる方向に力がかかっているみたいなイメージができるかなと思います。

次にコンデンサに導体を入れたときにかかる力です。公式は、

となっています。x方向というのはコンデンサの間の導体を入れる向きです。電場と垂直の向きになります。

コンデンサの結合法則

これは中学でならったであろう公式です。コンデンサが直列の場合、

並列の場合、

と考えることができるという法則でした。中学生でやった?と思います。

例外

ほんとに出てくる回数が少ない公式として、ポアソンの方程式があげられます。ポアソンの方程式は、

となります。∇を利用します。したがって、この公式を使うタイミングとしては、しっかり電場のベクトルを考えるときに利用すると便利でしょう。(僕は利用して解いたことは一度しかありません)

基本的には体積密度の電荷が出てきたときに利用するとよいでしょう。

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②公式の解説[ここが一番大事]

公式の解説をしていこうと思います。また、これはどのようなパターンで利用できるかというのもここで示していきたいと思います。

ガウスの法則

ガウスの法則は、見たまま、電場を面で積分すると、電荷を誘電率で割ったものが出てくるという公式です。この公式がどのように生まれてくるかというのはこちらを参考にしてください。

少し難しいのですが、知らなくても何とかなると思います・・・

つまり、閉曲面の中に電荷があった場合、閉曲面を通る電束というのが同じ数になるといったものです。なんか電場が反比例しそうですよね。

利用方法

僕が解いた院試では、基本的に電場を出す、という目的で利用されていました。問題文でQとεが与えられるのであとは表面積がわかれば解けます。

例えば、半径aの球電荷Qがあったとして、空気中の導電率がε0だったとする。rの位置の電場を求めよ。という問題で、

ガウスの法則を利用すると、

このように考えることができるため、電場を求めることができます。基本的にこの公式は電場を求めるために利用することが多いです。電場の面積分に関しては電場と垂直な向きの面積で行ってください。

また、今回電場は外向きのベクトルをしていますが、ベクトルの向きを考えなくてはいけない場合は、

となります。Rは電場のベクトル成分です。R/rで大きさ1の方向ベクトルなので、それを掛け算して方向を決めていると考えてもいいです。

今回は球なのでrの位置の電場に垂直な面積というのは半径rの球の表面積を求めればよいことになります。また、閉曲面でないといけないことに注意しましょう。

電場このようにを求めることによって次の電位を求める際に利用することができるようになります。

電位の公式

この公式は電場と電位を求めたい位置がわかっていた場合に利用可能です。よって上のガウスの法則から電場を求めてそれから利用するというパターンが多いです。

利用方法

利用方法は本当に電場を積分するだけです。電位を求めよ。という問題で電場が求められる場合はこれを使って求めましょう。3次元の点、球の電荷を考えている場合を考えてみましょう。上の問題の電場、

を利用して半径rの位置の電位を求めたい場合、

とすれば簡単に出てきます。球座標の場合は問題文に、無限遠は電位を0とすると基本的に書いてありますよって積分した後の無限を代入した項は0となります。それをつかって求めましょう。

今回は、導体球でしたが、無限遠の円柱導体のパターンなどもあります。その場合は電位が無限大になってしまうので注意しましょう。詳しくは、

に詳しく書いてあるのでぜひ読んでみてください。

静電ポテンシャルエネルギー

静電ポテンシャルエネルギーは静電エネルギーとも言います。

コンデンサにたまっている電荷の静電エネルギーを考えるときに利用します。コンデンサの極板の片方に+Q、片方にーQたまっているから・・・などと考えないでください。単純にそういった場合というのは電荷がQたまっていると考えます。

利用方法

この公式は先ほども述べましたが、コンデンサにたまっている静電エネルギーを求めるのに利用します。また静電エネルギーを求めると、極板間にかかる力だったり、導体を入れるときの力だったりを考えるときに利用できます。

なので僕個人の考えにはなってしまいますが、問題と問題のつなぎになっているパターンが多いです。

なので、導体が距離xだけ入った時の静電エネルギーを求めた場合(コンデンサの並列、直列接続を考えると解ける)、次の問題が導体にかかる力を求めなさいという問題だったりします。

電荷密度

電荷密度は、

で表されます。Vは体積、Qは電荷、σは電荷密度です。電荷密度に体積を掛け算したら電荷が出てくるのは周知だと思います。

利用方法

利用方法としては、基本的に電荷密度が与えられている導体の内部の電場を求めるのに利用されることが多いように感じました(自分調べ)。例えば、

電荷密度 σ が与えられている半径aの導体球があるとします。bの位置の電場を求めなさいという問題で、(b<a)

これを考えるためには、bよりも内側の電荷がどれだけあるかを考えると、解くことができます。

bよりも内側の電荷は、

で求められることは分かると思います。この電荷に対して電場を求めると、

と求まることがわかります。導体の外では距離に反比例もしくは2乗に反比例することが多いですが、一様な電荷密度を持っている場合というのは距離に比例することがわかります。

このような利用方法が多かったかなと思います。

また、単位長さ当たりの電荷というのも存在します。

電気容量と電荷の公式

電気容量の公式、

は、様々な場面で使われます。これも中学生ぐらいで習った公式です。

利用方法

利用方法としては正直幅が広すぎて様々な場面で利用できます。静電エネルギーの部分でも利用できますし、単純にコンデンサにたまっている電荷を求めることもできます。したがって割愛させていただこうかなと思います。

電場と電位差の公式

コンデンサに利用される基本的な公式です。

利用方法

基本的な利用方法としては、電位をxなどの変数で表したいときに利用することが多かったです。例えば電位が一定だった場合、dというのはxなどの変数でもその位置の電位を表すことができます。よってそこからグラフを書いたりとかのパターンが多かったように感じます。

例についてはほんとにそのままやるだけなので割愛します。

クーロン力と導体、極板にかかる力

クーロン力は、

導体や極板間にかかる力は、

と表すことができます。Qが一定の場合とVが一定の場合だと力の向きが逆になるため注意してください。

利用方法

まずはクーロン力です。先ほど導いた電場の式、

を利用しましょう。もともとおいてある導体球に電荷Q蓄えられています。そして距離rの位置に電荷Qを置きます。するとひきつけあう、もしくは排斥しあう力というのは、

と表すことができます。見たことあるような形ですよね。

ただし、Q×Q1<0のときは引力、 Q×Q1 >0のときは斥力が働きます。このように電場上の電荷にかかる力というのは簡単に求めることができます。

次は導体か極板間にかかる力です。

これは静電エネルギーが求まっていないと利用することができませんが、例えば、極板間にxだけ導体を入れた場合を考えてみましょう。

その時の静電エネルギーが

と表されていたとします。すると、今回はVが一定ということに目を付けて、

とすると、導体が引っ張られる力というのがわかります。また、同様に極板間の距離の変化をxと置いて静電エネルギーを求めると、それをxについて微分したものというのは極板間に働く力になります。

よって、求めたい力の方向をxと置いて静電エネルギーを求めることによって、導体や極板間の力がわかります。

コンデンサの結合法則

直列のとき、

並列のとき

と表すことができるということがわかりました。

利用方法

これの基本的な利用方法として、コンデンサの極板間に導体や誘電体を挟む場合に利用します。例えば、

この導体の静電容量を求めよ。という問題だったら、このコンデンサを並列回路とみることによって解くことができます。つまり、この静電容量は、極板間の厚さが一定だったとすると、

この公式を利用すると、

となります。ここから静電気エネルギーを求めて、xについて微分すると、導体にかかる力になります。

一般的にはこのように利用することが多かったです。

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最後に

どうでしたか?これだけ理解していれば大体の問題は解けると思っています。基本的にパターンとしては似ている形が多かったです。またであった珍しい問題で、四端子の探針法というのがあるのですが、そちらに関しても、

ここで解説しているので是非お読みください。いい感じでまとめられたと思います。

また、これは電界分野のみで磁界には対応していないので注意してください。

それではまた、ぽたでした。

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